CraftTripつくる旅

工芸 · No. 27

久米島紬

No. 27織物

久米島紬

Kumejima Tsumugi

kumejima tsumugi · 沖縄県

久米島紬は、沖縄県久米島で生産される伝統的な絹織物。島固有の泥染めと手織りによる深みのある色彩と素朴な風合いが特徴で、琉球王国時代から続く由緒ある織物である。

産地
沖縄県
分類
織物
素材
絹 · 植物染料 · 泥
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

久米島紬の起源は琉球王国時代にさかのぼる。久米島は古くから養蚕と織物の島として知られ、島で産出される絹糸と植物・泥を用いた染色技術が独自に発展した。かつては王府への貢納品として献上されており、島民にとって重要な生産物であった。琉球王国の後、薩摩藩の支配下に入った時代も織物生産は継続され、技術は世代を…

其の二素材

植物染料灰汁

主原料は絹糸で、かつては島内での養蚕も盛んであったが、現在は国内外から調達した生糸を使用する場合が多い。染料には久米島に自生するテカチ(車輪梅)などの植物が用いられ、灰汁や泥による媒染・泥染めが行われる。特に島の湿田の泥による「泥染め」は、鉄分を豊富に含む土壌によって独特の深いこげ茶色や黒褐色を生み…

其の三技法

久米島紬の制作工程は、糸繰り・染色・整経・手織りという大きな流れで構成される。染色では植物染料で下染めをした後、島の泥田に糸を浸して揉み込む「泥染め」を繰り返し行い、色を定着させる。織りは主に高機(たかはた)を用いた手織りで、平織りを基本としながら絣(かすり)模様が多く用いられる。絣は糸を織る前に染…

其の四風土

久米島は亜熱帯性気候に属し、温暖多湿な環境が養蚕や植物染料の原料となる植生を育んできた。また、島特有の鉄分豊富な湿田の土壌は泥染めに不可欠であり、久米島の自然環境そのものが工芸品の色と質を決定づけている。