工芸 · No. 19

No. 19織物
牛首紬
Ushikubi Tsumugi
ushikubi tsumugi · 石川県
牛首紬は石川県白山市白峰地区で生産される絹織物で、玉繭を使った独特の製糸技法と、釘が抜けるほどの強靭さで知られる丈夫な紬織物。
- 産地
- 石川県
- 分類
- 織物
- 素材
- 絹
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
牛首紬の起源は平安時代末期にまで遡るとされ、白山山麓の白峰地区(旧・牛首村)で養蚕と織物が盛んに行われてきた。山間の集落ゆえに交通が不便であったことから、地域固有の技術と文化が長く守られ、独自の紬織の伝統が育まれた。江戸時代には加賀藩の保護・奨励を受け、産地としての地位を確立した。明治以降の近代化や…
其の二素材
牛首紬の最大の特徴は、二頭の蚕が共同で作った「玉繭(たままゆ)」を原料とする点にある。玉繭は通常の繭と異なり、二本の糸が複雑に絡み合っているため、解きほぐしながら糸を引き出す高度な技術が必要となる。こうして得られた玉糸は節(ふし)と呼ばれる不規則な太細があり、それが織物に独特の風合いと光沢をもたらす…
其の三技法
牛首紬の製織工程では、玉繭から手作業で糸を引き出す製糸から始まり、整経・染色・製織へと進む。玉糸の節を活かすため、糸は強くよりをかけず、そのままの風合いを保つように扱われる。織りは主に手機(てばた)を用いた平織りが基本で、経糸・緯糸ともに玉糸を使うことで、釘抜き紬とも称されるほどの強靭さが生まれる。…
其の四風土
白山山麓の白峰地区は、冬季に豪雪をもたらす厳しい気候の山間地帯。この隔絶した自然環境が外部との交流を制限し、地域独自の養蚕・織物文化を守り続ける土壌となった。また、山の清冽な水は染色工程にも活かされている。





