CraftTripつくる旅

工芸 · No. 169

七尾仏壇

No. 169仏壇・仏具

七尾仏壇

Nanao Butsudan (Nanao Buddhist Altars)

nanao butsudan · 石川県

石川県七尾市を中心に製作される仏壇。能登地方の豊かな木材と漆工・金箔・彫刻・蒔絵などの伝統技術を結集した、華麗で精緻な荘厳美が最大の特徴。

産地
石川県
分類
仏壇・仏具
素材
木 · 漆 · 金
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

七尾仏壇の起源は、加賀藩の庇護のもとで北陸の仏教文化が栄えた江戸時代にさかのぼる。七尾は能登半島の中心的な港湾都市として物資・技術・文化の交流拠点となり、漆工・彫刻・錺金具・蒔絵など各分野の職人が集住したことで、高度な分業体制が自然と発展した。加賀藩の奨励もあり、地域の有力寺院や武家・豪農層からの需…

其の二素材

主な素材は能登・加賀地方で採れるヒノキやケヤキなどの良質な木材で、骨格となる木地に使われる。表面仕上げには石川県が誇る輪島塗や金沢の技法に通じる漆塗りが施され、金沢箔(金箔)が随所に押されることで豪華な輝きを生み出す。彫刻部分にはヒノキの柔らかさと緻密さが活かされ、精細な透かし彫りや浮き彫りが可能と…

其の三技法

七尾仏壇は、木地・彫刻・漆塗・金箔押・蒔絵・錺金具・組立の各工程を専門職人が担う精緻な分業制によって完成する。木地師が設計図に従い内陣構造を組み上げ、彫刻師が宮殿や欄間に繊細な透かし彫り・龍・花鳥などの意匠を刻む。塗師は下地処理から仕上げまで何度も漆を塗り重ね、堅牢で深みのある漆面を作る。金箔押師は…

其の四風土

能登半島は日本海側特有の冬の湿潤な気候に恵まれており、漆の乾燥・硬化に欠かせない適度な湿度が自然に保たれる。また豊富な森林資源が良質な木地素材の安定供給を支え、仏壇産地としての発展を気候・風土の面からも後押しした。