工芸 · No. 53

No. 53その他の繊維製品
加賀繍
Kaga Embroidery
kaga nui · 石川県
加賀繍は石川県で受け継がれてきた刺繍工芸で、金沢の豊かな文化風土のもと磨かれた繊細かつ華やかな色彩と精緻な刺繍技法を特徴とする。
- 産地
- 石川県
- 分類
- その他の繊維製品
- 素材
- 絹 · 金 · 銀
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
加賀繍の起源は、加賀藩が治めた金沢の豊かな文化環境にさかのぼる。藩政期には武家や裕福な町人の衣装・調度品に施される高級刺繍として発展し、京都や中国の刺繍技術を取り入れながら独自の様式を確立した。とりわけ仏教の影響を受けた繍仏(しゅうぶつ)の伝統が技法の高度化に貢献したとされ、仏画や経典を刺繍で表現す…
其の二素材
其の三技法
加賀繍の技法は多彩な刺繍の技巧を組み合わせる点に特徴がある。代表的な技法として、糸を平行に刺し並べる「平繍(ひらぬい)」、金糸・銀糸を表面に沿わせて留める「駒繍(こまぬい)」、下にわたを入れて立体感を出す「肉入れ繍」などがある。これらを組み合わせることで、文様に陰影と奥行きが生まれる。下絵は熟練の職…
其の四風土
石川県は日本海側に位置し、冬季は湿度が高く曇天が続く。この高い湿度は絹糸の保湿性を保ち、刺繍作業中の糸切れや静電気を抑えることで、細密な針仕事に適した環境をもたらしてきた。





