CraftTripつくる旅

工芸 · No. 63

九谷焼

No. 63陶磁器

九谷焼

Kutani Ware

kutani ware · 石川県

九谷焼は石川県を代表する色絵磁器で、赤・緑・黄・紫・紺青の五彩を用いた大胆かつ絢爛な絵付けを最大の特徴とする。

産地
石川県
分類
陶磁器
素材
磁土 · 金 · 石
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

九谷焼は、江戸時代前期に加賀藩の支援のもと、石川県南部の山中地域で生産が始まったとされる。開窯後しばらくのちに一度生産が途絶えた時期(いわゆる「古九谷」の空白期)があり、その後江戸時代後期に加賀・金沢を中心に各地の窯元が相次いで再興し、多様な画風が花開いた。再興期には、京焼の技術や画風の影響を受けな…

其の二素材

九谷焼の素地には、磁器質の白く緻密な素地が用いられる。原料となる陶石や粘土は石川県内および周辺地域から調達されるほか、適性の高い原料が各地から選別使用される。素地の白さと硬度は、上絵具の発色を最大限に引き出すために重要な要素となる。上絵付けに用いる顔料は、赤・緑・黄・紫・紺青の五色を基本とし、天然鉱…

其の三技法

九谷焼の製造工程は、素地成形・素焼き・下絵付け・本焼き・上絵付け・上絵焼成という段階を経る。最大の特徴は「上絵付け」にあり、本焼き後の白磁に筆で五彩の顔料を丁寧に施す。絵師は伝統的な草花・山水・人物・吉祥文様などを、時に画面を色彩で大胆に塗り埋める「塗り埋め」技法を用いながら描き上げる。窯元や絵師に…

其の四風土

石川県は日本海側の気候に属し、冬季に降水・降雪が多い。この長い冬の閉季が、職人が室内で絵付けや成形に集中する時間を自然に生み出し、精緻な手仕事の技術が磨かれる環境を育んできたと考えられる。