CraftTripつくる旅

工芸 · No. 214

名古屋節句飾

No. 214人形・こけし

名古屋節句飾

Nagoya Sekku Kazari

nagoya sekku kazari · 岐阜県

名古屋節句飾は、岐阜県・愛知県を主な産地とする伝統的な節句人形で、桃の節句の雛人形や端午の節句の武者人形などが華やかな造形と精緻な装飾で知られる。

産地
岐阜県
分類
人形・こけし
素材
絹 · 木 · 金
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

名古屋節句飾の起源は、江戸時代に尾張藩の城下町として栄えた名古屋周辺にある。武家文化と商人文化が交差するこの地では、節句の行事が盛んに行われ、雛人形や武者飾りの需要が高まった。尾張の職人たちは京都の人形師の技術を取り入れながらも、独自の豪壮で華やかな様式を発展させた。明治以降、産地が岐阜県にも広がり…

其の二素材

名古屋節句飾には多様な素材が用いられる。人形の頭部には桐塑や石膏が使われ、胡粉(貝殻を精製した白色顔料)を重ね塗りして滑らかな肌を表現する。衣装には西陣織をはじめとする高品質な絹織物が使用され、金糸・銀糸の刺繍が施されることも多い。芯材には桐や木材が用いられ、軽量かつ湿気への耐性が求められる。兜飾り…

其の三技法

名古屋節句飾の製作は、頭師・手足師・小道具師・衣装師・仕上師など多岐にわたる専門職人による分業体制で行われる。頭部の製作では、桐塑や石膏で形を整えた後、胡粉を何層にも重ね塗りし、乾燥と研磨を繰り返すことで透明感のある肌を作り出す。目には繊細なガラス目が用いられ、眉・口・頬の彩色は熟練した絵師が筆で仕…

其の四風土

岐阜・愛知地方は夏に高温多湿となる気候のため、素材には吸湿性が低く軽量な桐が古くから重用されてきた。また、内陸盆地特有の寒暖差は漆や胡粉の乾燥・定着を助け、仕上がりの品質向上に寄与している。