CraftTripつくる旅

工芸 · No. 106

飛騨春慶

No. 106漆器

飛騨春慶

Hida Shunkei Lacquerware

hida shunkei · 岐阜県

飛騨春慶は岐阜県高山市を中心に作られる漆器で、木目の美しさを活かした透明感ある春慶塗が最大の特徴。軽さと優雅な風合いで知られる。

産地
岐阜県
分類
漆器
素材
木 · 漆 · 鉄
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

飛騨春慶の起源は江戸時代初期にさかのぼる。高山の地で塗師が木地に透き漆を重ねて仕上げる技法を確立し、木目の美しさを際立たせた独自の漆器として発展した。江戸幕府の直轄領(天領)として栄えた飛騨高山では、豊富な良質材木と熟練した木工・漆工の職人が集まり、工芸文化が花開いた。春慶塗はやがて高山を代表する名…

其の二素材

主要な木地材料にはサワラ(椹)やヒノキ(檜)などの針葉樹が用いられる。飛騨地方は豊かな森林資源に恵まれており、軽量で木目が美しく加工しやすい良質な木材が古くから手に入りやすい環境にあった。漆には国産の透き漆(すきうるし)が使われ、木地の色と木目を透かして見せるために精製・調合される。下地には色付けの…

其の三技法

飛騨春慶の製作は「木地づくり」と「塗り」の大きく二工程に分かれる。木地師がロクロや手加工によってお椀・盆・重箱などの形を整えたのち、漆師が透き漆を何度も薄く重ね塗りする。塗りの工程では、まず下地として色を染み込ませてから透漆を塗り重ね、そのつど十分に乾燥・研ぎを繰り返す。仕上げには刷毛で薄く漆を引い…

其の四風土

飛騨地方は内陸山岳地帯に位置し、冬は積雪が多く湿度が高い。この高湿度環境は漆の乾燥・硬化(酵素反応)に適しており、良質な塗り上がりを生む自然条件として機能してきた。また豊富な森林が良質な木地材料を安定供給してきた。