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工芸 · No. 11

多摩織

No. 11織物

多摩織

Tama-ori

tama ori · 東京都

多摩織は東京都西部の多摩地域で生産される絹織物で、丈夫さと落ち着いた風合いを兼ね備えた先染めの平織・綾織・朱子織を特徴とする伝統工芸品。

産地
東京都
分類
織物
素材
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

多摩地域における絹織物の歴史は古く、武蔵野の養蚕・絹織物文化を基盤として発展してきた。江戸時代には近郊農家の副業として機織りが広く行われ、八王子を中心とする絹の集散地として多摩地域は全国的にも知られる存在となった。明治以降、近代化の波を受けて動力織機が導入され生産が拡大したが、一方で手織りによる高品…

其の二素材

多摩織の主原料は絹糸(生糸・撚り糸)であり、光沢と滑らかさ、適度な強度を持つ絹の特性が織物の品質を大きく左右する。経糸・緯糸ともに先染めを基本とし、染料には天然染料のほか堅牢度の高い化学染料も用いられる。また、地域の絹産業との歴史的なつながりから、国産生糸が重視される場合もある。織物の用途(着尺・帯…

其の三技法

多摩織の最大の特徴は「先染め」の技法にあり、糸を織る前に染色することで色の深みと堅牢度を高める。織組織は平織・綾織・朱子織を基本とし、これらを組み合わせることで多様な文様と質感を表現する。高機(たかばた)を用いた手織りが伝統的な製法であり、熟練の職人が経糸の張力や緯糸の打ち込み具合を手と足で繊細に制…

其の四風土

多摩地域は関東山地の東縁に位置し、内陸性の気候で四季の寒暖差が明確。冬の乾燥した冷涼な空気は染色工程の色の定着を助け、清澄な軟水が豊富な多摩川水系の水は、糸の精練・染色に適した環境を歴史的に提供してきた。