工芸 · No. 120

No. 120木工品・竹工品
奥会津編み組細工
Oku-Aizu Basketry
oku aizu basketry · 福島県
奥会津編み組細工は、福島県奥会津地方で作られる伝統的な編み組工芸品。山間地に自生するヒロロ・マタタビ・山ブドウなど天然植物を素材に、緻密な編み技法で仕上げたかごや器が特徴。
- 産地
- 福島県
- 分類
- 木工品・竹工品
- 素材
- ヒロロ · マタタビ · 山ブドウ
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
奥会津地方は福島県西部に広がる豪雪山間地帯で、古くから農閑期の冬仕事として植物を編む「手仕事」の文化が根付いていた。厳しい冬の間、農民たちは山で採取したヒロロ(ゴウソ)・マタタビ・山ブドウなどの蔓草や草類を材料に、日常生活で使うかごや器を編んできた。これらの手仕事はもともと自家消費や地域内の物々交換…
其の二素材
ヒロロマタタビ山ブドウ
主な素材は、奥会津の山野に自生する三種の天然植物である。「ヒロロ」(ゴウソとも呼ばれるカヤツリグサ科の草)は細く柔軟で緻密な編み地を生み出す。「マタタビ」はネコ科の動物を引き寄せることで知られるつる性植物で、しなやかで強靭な編み素材となる。「山ブドウ」の樹皮は独特の渋い光沢と強度を持ち、経年変化によ…
其の三技法
奥会津編み組細工の製作は、素材の採取・下処理から始まる。ヒロロは裂いて細いひごに整え、マタタビや山ブドウの蔓・樹皮は適切な幅に割いて編みやすい状態に整える。編み方は素材や用途によって異なり、「もじり編み」「六つ目編み」「ござ目編み」など多様な編み組技法が用いられる。底から側面へと連続して編み上げる技…
其の四風土
奥会津は日本有数の豪雪地帯であり、冬季は深い雪に閉ざされる。この長い農閑期が編み組細工の発展を促し、山間の豊かな植生が多様な天然素材を供給し続けてきた。厳しい自然環境そのものが、この工芸品の生まれた背景となっている。



