工芸 · No. 58

No. 58陶磁器
大堀相馬焼
Obori-Soma Ware
obori soma ware · 福島県
大堀相馬焼は福島県浜通り地方を発祥とする陶磁器で、「青ひび」と呼ばれる独特の貫入釉、二重構造の湯呑み、そして躍動する馬の絵付けを三大特徴とする。
- 産地
- 福島県
- 分類
- 陶磁器
- 素材
- 陶土 · 灰釉
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
大堀相馬焼の起源は江戸時代初期にさかのぼる。現在の福島県双葉郡浪江町大堀地区において、相馬藩の保護のもとで窯業が始まったとされる。相馬藩は廃藩置県まで一貫してこの焼き物を庇護し、藩の御用窯として発展した。産地では多くの窯元が軒を連ね、東北地方を代表する民窯として広く流通した。しかし、1970年代以降…
其の二素材
陶土灰釉
大堀相馬焼には、地元・大堀地区周辺で採取されてきた陶土が伝統的に用いられてきた。この土は粒子が細かく、成形性に優れる一方で、焼成時の収縮率が大きいという特性を持つ。この高い収縮率こそが、釉薬との膨張差を生み出し、大堀相馬焼最大の特徴である「青ひび(貫入)」を生じさせる要因となっている。釉薬には主に灰…
其の三技法
大堀相馬焼を特徴づける技法は主に三つある。第一は「青ひび(貫入)」で、素地と釉薬の熱膨張率の差を巧みに利用し、焼成後に釉面に無数の細かいひびを意図的に生じさせる技術である。第二は「二重焼き(二重構造)」で、湯呑みなどの器を内側と外側の二重構造に成形することで、優れた保温性と持ちやすさを実現する。この…
其の四風土
大堀地区を含む福島県浜通り地方は、太平洋に面した比較的温暖な気候であるが、原料となる良質な陶土が地域の地質から産出されたことが、この地で窯業が根付いた大きな要因の一つである。



