工芸 · No. 129

No. 129木工品・竹工品
井波彫刻
Inami Wood Carving
inami wood carving · 富山県
富山県南砺市井波地区で生まれた木彫刻工芸。欄間や獅子頭、置物などに施される緻密で力強い彫りが特徴で、全国屈指の木彫りの産地として知られる。
- 産地
- 富山県
- 分類
- 木工品・竹工品
- 素材
- 木
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
井波彫刻の起源は、井波別院瑞泉寺の建立・再建にさかのぼる。江戸時代中期、火災で焼失した瑞泉寺の再建にあたり、京都の彫刻職人が招かれた。地元大工たちはその技法を熱心に習得し、やがて独自の高い技術を確立した。寺社建築の装飾彫刻を中心に発展した技術は、やがて欄間・衝立・置物といった日用調度品にも広がり、地…
其の二素材
主に使用される木材はヒノキ(檜)、クスノキ(楠)、ケヤキ(欅)などで、用途や作品の性格によって使い分けられる。ヒノキは香りが良く加工しやすいため欄間や室内装飾品に、クスノキは防虫効果と木目の美しさから置物や衝立に、ケヤキは硬さと光沢から家具や大型作品に好んで用いられる。いずれも木目が細かく、緻密な彫…
其の三技法
井波彫刻の制作では、鑿(のみ)と彫刻刀を使い分け、下絵をもとに立体的な形を木の中から彫り出していく。職人は数十種類にも及ぶ鑿を使いこなし、荒彫り・中彫り・仕上げ彫りという段階的な工程を経て作品を完成させる。特に欄間の透かし彫りや、獅子頭の躍動感ある表情の彫り出しは高度な技術を要し、独自の「叩き彫り」…
其の四風土
富山県南砺市周辺は冬季に多量の積雪をもたらす豪雪地帯であり、農作業が困難な長い冬の間、職人たちが屋内で腕を磨く環境が彫刻技術の高度化を促した。また、山地から豊富に供給される良質な木材資源も産地の発展を支えた。




