工芸 · No. 181

No. 181和紙
越中和紙
Ecchu Washi
ecchu washi · 富山県
越中和紙は富山県で生産される伝統的な手漉き和紙で、清冽な水と良質な原料を活かした丈夫さと風合いの美しさが特徴。
- 産地
- 富山県
- 分類
- 和紙
- 素材
- 和紙 · 楮 · 三椏
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
越中和紙の起源は奈良時代にまで遡るとされており、越中国(現在の富山県)で良質な紙が漉かれていたことが古記録からも知られている。平安時代以降、地域の寺社や武家の需要を支えながら技術が受け継がれ、江戸時代には加賀藩の奨励もあって生産が一層盛んになった。五箇山地区の「五箇山和紙」、八尾地区の「八尾和紙(お…
其の二素材
越中和紙の主な原料は楮(こうぞ)で、産地によっては三椏(みつまた)や雁皮(がんぴ)も用いられる。楮は繊維が長く強靭なため、丈夫で長持ちする紙に仕上がる。富山県の山間地域で自生・栽培される植物を使うことで地域固有の特性が生まれる。紙を漉く際には繊維をほぐす「ねり(とろろあおいの粘液)」が欠かせず、これ…
其の三技法
越中和紙の製造は「流し漉き」技法を基本とし、楮などの原料を煮熟・叩解して繊維をほぐした後、漉き桁(すきけた)と簀(す)を使って紙を一枚一枚手で漉く。「ねり」を加えた水の中で繊維を揺り動かしながら均等に絡ませるこの技法は、薄くて均一な紙を作るのに適している。漉いた紙は重ねて圧搾脱水し、乾燥板に一枚ずつ…
其の四風土
富山県の山間部は冬季に豊富な積雪をもたらし、春から夏にかけての雪解け水が清冽で軟質な水を供給する。この低温・清潔な水が繊維を傷めず均一に漉き上げることを可能にし、越中和紙特有の白さと強度を生み出している。




