CraftTripつくる旅

工芸 · No. 122

江戸和竿

No. 122木工品・竹工品

江戸和竿

Edo Wasao (Edo Traditional Fishing Rods)

edo wasao · 東京都

江戸和竿は東京都で作られる伝統的な釣り竿で、複数の竹を組み合わせた継ぎ竿構造と、漆塗りによる美しい仕上げが特徴の高級釣り具である。

産地
東京都
分類
木工品・竹工品
素材
竹 · 漆 · 和紙
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

江戸和竿の起源は江戸時代中期にさかのぼる。当時の江戸(現・東京)では釣りが庶民の娯楽として広く親しまれており、隅田川や江戸前の海での釣りが盛んであった。こうした釣り文化の高まりを背景に、より使いやすく美しい竿を追求する専門の竿師が現れ、「江戸和竿」と呼ばれる独自の様式が確立されていった。竿師たちは職…

其の二素材

江戸和竿に使われる主な素材は竹であり、用途や部位によって数種類の竹が使い分けられる。穂先には細く弾力性に富む「布袋竹(ほていちく)」や「矢竹(やだけ)」が、手元や中節には肉厚で強度の高い「真竹(まだけ)」などが用いられることが多い。竹は産地から厳選して仕入れ、十分に乾燥・矯め(ため)の工程を経て素材…

其の三技法

江戸和竿の制作は、竹の選別・乾燥から始まり、火入れによる矯め(曲がりの矯正)、節削り、継ぎ合わせの加工へと進む。最大の特徴のひとつが「継ぎ竿」構造で、複数のパーツをぴったりと差し込めるよう、継ぎ口をわずかなテーパー(勾配)をつけながら削り合わせる高度な技術が求められる。穂先は細く割いた竹を丁寧に削り…

其の四風土

東京は温暖湿潤な気候に属し、隅田川や多摩川、東京湾といった豊かな水辺環境に恵まれてきた。こうした水辺での釣り文化が江戸和竿の需要を生み、高温多湿の環境に耐えられる漆仕上げや、気候変化に応じた竹の乾燥・矯め技術が発展した。