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工芸 · No. 241

江戸表具

No. 241その他の工芸品

江戸表具

Edo Hyogu

edo hyogu · 東京都

江戸表具は東京都を主産地とする伝統的な表装工芸品で、掛け軸・屏風・襖などを仕立てる高度な技術と、江戸好みの端正で落ち着いた美意識を特徴とする。

産地
東京都
分類
その他の工芸品
素材
和紙 · 絹 · 小麦澱粉
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

表具の技術は仏教文化とともに大陸から伝来し、奈良・平安時代には写経や仏画の装丁・装飾に用いられた。武家文化が栄えた鎌倉・室町時代を経て、茶の湯の隆盛とともに掛け軸表装の美意識が洗練されていった。江戸幕府の開設後、江戸は政治・文化の中心地として急速に発展し、多くの絵師・書家・寺社が集まったことで表具師…

其の二素材

和紙小麦澱粉

江戸表具に用いられる主な素材は、裏打ち用の和紙、装飾に使う絹・裂地(きれじ)、そして小麦澱粉から作られる「生麩糊(しょうふのり)」である。和紙は美濃紙や宇陀紙など吸湿性と強度に優れたものが選ばれ、作品の保護と長期保存を支える。裂地は京都西陣織をはじめとする高品質な織物が用いられ、掛け軸の天・地・柱な…

其の三技法

江戸表具の制作は、素材の選定から始まり「裂地合わせ」「裏打ち」「張り込み」「仕上げ」など多岐にわたる工程からなる。まず作品の状態を見極め、適切な和紙と糊で慎重に裏打ちを行い、寸法を整える。次に絹や裂地を各部位に合わせて裁断・継ぎ合わせ、掛け軸・屏風・襖などの形式に組み上げていく。「ふくべ張り」と呼ば…

其の四風土

東京は四季の変化が明確で、特に夏の高温多湿と冬の乾燥が交互に訪れる。この湿度変化に耐えられるよう、江戸表具では天然の和紙・裂地・生麩糊を組み合わせ、作品が呼吸しながら伸縮できる柔軟な構造が追求されてきた。