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工芸 · No. 230

京表具

No. 230その他の工芸品

京表具

Kyo Hyogu

kyo hyogu · 京都府

京表具は京都府で受け継がれてきた表装の工芸品で、掛け軸・屏風・額などを仕立てる高度な技術と、優雅な美意識を特徴とする。

産地
京都府
分類
その他の工芸品
素材
和紙 · 絹 · 小麦澱粉
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

表具(表装)の技術は仏教とともに大陸から伝来し、奈良時代には写経や仏画を仕立てる技術として寺院で用いられていた。平安時代に都が京都に移ると、公家・寺社の文化的需要を背景に表具師の技術は著しく発展した。室町時代には茶の湯の普及とともに掛け軸の需要が高まり、京の表具師たちは茶室にふさわしい侘びた美しさを…

其の二素材

和紙小麦澱粉

京表具に用いられる主な素材は、和紙・裂地(きれじ)・糊(のり)の三つである。和紙は美濃紙や鳥の子紙など薄くて強靭なものが選ばれ、裏打ちや下地に重ねて使われる。裂地は西陣織をはじめとする高品質な絹織物が多く用いられ、掛け軸や屏風の風帯・天地・柱の部分に配される。糊は主に小麦澱粉から作る「生麩糊(しょう…

其の三技法

京表具の制作は、裏打ち・肌裏(はだうら)・増裏(ましうら)・総裏(そううら)といった複数の紙張り工程を段階的に重ねることで、作品に適切な張りと強度を与えることから始まる。各層を張るたびに「乾燥・確認・調整」を繰り返し、歪みや波打ちを丁寧に防ぐ。裂地の選定と配置は全体の調和を決定づける重要工程で、表具…

其の四風土

京都盆地の高温多湿な夏と乾燥した冬という寒暖差の大きい気候は、和紙や裂地の伸縮に影響するため、表具師は季節ごとに糊の濃度や乾燥の加減を調整する技術を代々磨いてきた。