CraftTripつくる旅

工芸 · No. 81

小石原焼

No. 81陶磁器

小石原焼

Koishiwara Ware

koishiwara ware · 福岡県

小石原焼は福岡県朝倉郡東峰村で生産される陶器で、「飛び鉋」や「刷毛目」などの装飾技法による躍動的な模様と、素朴で力強い風合いが特徴。

産地
福岡県
分類
陶磁器
素材
陶土 · 鉄 · 植物灰
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

小石原焼の起源は江戸時代前期にさかのぼる。福岡藩主・黒田氏の庇護のもと、朝鮮半島から渡来した陶工の技術を受け継ぎながら、この地に窯が開かれたとされる。当初は日用的な器が中心だったが、やがて独自の装飾技法が確立され、民衆の日常生活を支える「用の美」を体現する焼き物として発展した。昭和50年(1975年…

其の二素材

陶土植物灰

主な原材料は、小石原地区周辺で採取される良質な陶土(地元粘土)である。この土は適度な鉄分を含み、焼成後に温かみのある赤褐色や灰色がかった色調を生み出す。釉薬には飴釉・糠白釉・黒釉・青釉などが用いられ、地元の自然素材や植物灰をベースに調合されることも多い。原料の土は精製・水ごしを経てから使用され、地元…

其の三技法

小石原焼を代表する技法は「飛び鉋(とびかんな)」と「刷毛目(はけめ)」である。飛び鉋は、ろくろを回転させながら金属製の鉋を断続的に当て、表面にリズミカルな連続文様を刻む技法で、躍動感ある装飾が生まれる。刷毛目は白化粧土を刷毛で大らかに塗り付け、素朴でのびやかな表情を出す技法である。そのほか「櫛描き」…

其の四風土

小石原地区は福岡県の山間部に位置し、豊富な降水量と豊かな森林に恵まれた地域である。良質な陶土・薪・水が揃うこの自然環境が、古くから窯業の発展を支え、焼き物に独特の温もりある風合いをもたらしている。