CraftTripつくる旅

工芸 · No. 212

博多人形

No. 212人形・こけし

博多人形

Hakata Dolls

hakata dolls · 福岡県

博多人形は福岡県福岡市を中心に作られる素焼きの土人形で、繊細な彩色と柔らかな曲線美を持つ人物像が特徴の伝統工芸品である。

産地
福岡県
分類
人形・こけし
素材
磁土 · 顔料 · 膠
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

博多人形の起源は江戸時代初期にさかのぼるとされ、福岡藩の城普請に携わった瓦職人が余った土を使って人形を作ったことが始まりと伝えられている。当初は縁起物や土産物として地元で親しまれていたが、博多港を通じた交易の盛んな土地柄もあり、次第に全国へと知られるようになった。明治期以降は海外の万国博覧会にも出品…

其の二素材

磁土顔料胡粉

主な素材は福岡県内および周辺地域で採取される良質な粘土(白土)である。この粘土は可塑性が高く、細部の造形に適した性質を持つ。成形後は素焼きにとどめ、釉薬をかけないため、土本来の温かみのある質感が生かされる。彩色には顔料を膠(にかわ)で溶いた絵の具が用いられ、発色の美しさと長期保存に優れた仕上がりを実…

其の三技法

制作工程は大きく「型作り・成形」「素焼き」「彩色」の三段階に分かれる。まず木型や石膏型に粘土を押し込んで形を作り、各パーツを接合して全体を整える。乾燥後に800度前後の比較的低温で素焼きし、釉薬は施さない。焼き上がった素地に、職人は細い筆を使って顔・衣装・小物を丁寧に手描きする。特に顔の表情は職人の…

其の四風土

福岡は温暖湿潤な気候で、良質な粘土が採れる地質環境に恵まれている。また博多港を擁する交易都市としての歴史が、素材・技術・意匠の多様な交流を促し、工芸品としての洗練を後押しした。