工芸 · No. 183

No. 183和紙
越前和紙
Echizen Washi
echizen washi · 福井県
越前和紙は福井県越前市今立地区を中心に生産される伝統的な手漉き和紙で、千年以上の歴史を誇り、高い品質と多様な種類を特徴とする。
- 産地
- 福井県
- 分類
- 和紙
- 素材
- 和紙 · 楮 · 三椏
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
越前和紙の起源は飛鳥時代にさかのぼるとされ、岡太神社・大瀧神社に伝わる伝説では、川上から流れてきた女神が村人に紙漉きの技法を授けたとされる。この地は古くから良質な和紙の産地として知られ、朝廷や幕府への献上紙としても重用された。中世以降は越前奉書をはじめとする格調高い紙が生産され、公文書・典礼用紙とし…
其の二素材
越前和紙の主原料は楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)の三種で、それぞれ異なる風合いをもたらす。楮は繊維が長く強靭な紙に、三椏はなめらかで印刷適性に優れた紙に、雁皮は薄く光沢のある高級感ある紙に仕上がる。これらの原料は国内各地から調達されるほか、地域での栽培も続けられている。紙を漉く際には…
其の三技法
越前和紙の製造は原料の選別・煮熟から始まり、アルカリ液で原料を柔らかく煮た後、手作業で丁寧に叩解(こうかい)して繊維をほぐす。紙漉きには「流し漉き」と呼ばれる日本固有の技法が主に用いられ、簀桁(すけた)を使って繊維を水中で均一に絡ませながらシートを形成する。漉き上げた紙は圧搾して水分を除き、天日また…
其の四風土
越前市今立地区は山あいに位置し、冬季の豊富な降雪が清冽な伏流水・渓流水をもたらす。この軟水は鉄分が極めて少なく、白く美しい和紙を生み出すうえで欠かせない。また冬の低温・高湿度の環境は繊維の腐敗を防ぎ、じっくりと丁寧な製造工程を支えてきた。





