工芸 · No. 152

No. 152金工品
燕鎚起銅器
Tsubame Tsuiki Copperware
tsubame tsuiki copperware · 新潟県
燕鎚起銅器は新潟県燕市で作られる金工品で、銅板を鎚で打ち起こす伝統技法により、継ぎ目なく成形される美しい器が特徴である。
- 産地
- 新潟県
- 分類
- 金工品
- 素材
- 銅 · 硫酸銅
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
燕鎚起銅器の起源は江戸時代にさかのぼる。燕地域はもともと和釘の産地として知られており、その金属加工の技術的土台の上に、銅器を鎚で打ち延ばす「鎚起」の技法が育まれた。江戸時代中期ごろから銅器生産が本格化し、仏具や茶道具、酒器などの需要に応じて技術が磨かれてきた。明治以降は近代的な産業化の波を受けながら…
其の二素材
銅硫酸銅
主要な素材は純銅(タフピッチ銅)の板材で、その高い延性と可鍛性が鎚起加工に適している。銅は打ち続けると加工硬化するため、焼きなまし(アニーリング)を繰り返しながら成形する。仕上げには、硫酸銅や薬品を用いた「煮色仕上げ」が施され、深みのある赤褐色や黒色の独特の色合いが生み出される。素材の産地は国内外か…
其の三技法
鎚起(ついき)とは、一枚の銅板を溶接や接合を一切用いずに、鎚と当て金だけで三次元の形に打ち起こす技法である。職人はまず銅板を大まかな形に切り出し、さまざまな形状の鎚を使い分けながら少しずつ打ち延ばして器の形を立ち上げていく。加工硬化した銅は適宜焼きなましを行って軟化させ、この「打つ→なます」の工程を…
其の四風土
新潟県燕市は冬季に豪雪となる日本海側の気候に属し、農閑期に副業として金属加工が発達した歴史的背景がある。積雪による屋内作業の長い期間が、精緻な手仕事の文化を育む土壌となった。





