CraftTripつくる旅

工芸 · No. 209

駿河雛具

No. 209人形・こけし

駿河雛具

Suruga Hinadogu

suruga hinadogu · 静岡県

駿河雛具は静岡県で作られる雛人形用の調度品・小道具の総称で、精緻な漆塗りや金彩などの技法を駆使した格調高い miniature 工芸品である。

産地
静岡県
分類
人形・こけし
素材
木 · 漆 · 金
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

駿河(現在の静岡県)では、江戸時代から漆器や木工の技術が高水準で発達しており、その技術的土壌を背景に雛人形に添える小型の調度品づくりが盛んになった。雛祭りの風習が武家・町人層に広まるにつれ、雛壇を飾る膳・棚・箪笥・鏡台などの精巧な miniature 調度品への需要が高まり、駿河の職人たちはその需要…

其の二素材

主な素材は木材と漆である。木地には軽量で加工しやすいヒノキや朴(ほお)などの良質な国産材が用いられ、緻密な小型部材に仕上げられる。その上に漆を何層にも塗り重ね、下地から上塗りまで丁寧に研ぎを繰り返すことで、深みのある光沢と耐久性を実現する。装飾には金粉・銀粉を用いた金彩(蒔絵技法)や、螺鈿(らでん)…

其の三技法

製作は木地師・塗師・蒔絵師など複数の専門職人が分業・協力して行う。まず木地師が小型部材を精密に削り出し、組み上げる。次に塗師が下地処理として木地固め・錆付け・中塗りを施したのち、上塗りを重ね、各工程の間に丁寧に研ぎをかけて平滑な塗面を作る。仕上げには蒔絵師が細筆で漆を描き、金粉・銀粉を蒔いて文様を施…

其の四風土

静岡県は温暖湿潤な気候に恵まれ、古くから木材の調達や漆の乾燥に適した環境が整っていた。適度な湿度は漆の硬化を促す一方、豊富な森林資源が良質な木地材の安定供給を支えてきた。