CraftTripつくる旅

工芸 · No. 79

大谷焼

No. 79陶磁器

大谷焼

Otani Ware

otani ware · 徳島県

大谷焼は徳島県鳴門市大麻町で作られる陶器で、藍染めの甕や大型の器を力強いロクロ技法で成形する、四国を代表する民陶のひとつ。

産地
徳島県
分類
陶磁器
素材
陶土 · 灰釉 · 飴釉
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

大谷焼の起源は江戸時代中期にさかのぼる。阿波(現在の徳島県)の大谷地区では、良質な陶土と豊富な燃料となる薪が得られたことから、窯業が自然に発展した。当初は日用雑器が中心であったが、阿波特産の藍染めが盛んになるにつれ、藍液を仕込む大型の藍甕(あいがめ)の需要が急増し、大谷焼の発展を大きく後押しした。藍…

其の二素材

陶土灰釉飴釉

大谷焼の主原料は、地元・徳島県周辺で採取される赤みがかった鉄分を含む陶土(赤土)である。この土は可塑性が高く、大型の器を成形するのに適している。釉薬には灰釉(はいゆう)や飴釉(あめゆう)などが伝統的に用いられ、素朴でありながら深みのある色合いを生み出す。薪を燃料とする登り窯(のぼりがま)で焼成するこ…

其の三技法

大谷焼の最大の特徴は、「けり込みロクロ」と呼ばれる足蹴りロクロ(蹴りロクロ)を使った成形技法にある。通常一人が粘土を手でひき成形するが、藍甕のような大型の器を作る際には、二人一組で行う「二人挽き(ふたりびき)」という独特の共同作業が行われる。一人がロクロを蹴って回転を維持しながら土台を整え、もう一人…

其の四風土

徳島県鳴門周辺は温暖で降水量が比較的多く、陶土が湿潤な状態で扱いやすい環境が整っている。また山林資源が豊富で、登り窯の燃料となる薪の調達が古くから容易であったことが、大谷焼の発展を支えた。