CraftTripつくる旅

工芸 · No. 141

紀州箪笥

No. 141木工品・竹工品

紀州箪笥

Kishu Tansu

kishu tansu · 和歌山県

紀州箪笥は和歌山県で生産される伝統的な木製収納家具で、良質な紀州材を用いた堅牢な造りと、漆や金具による上品な意匠を特徴とする。

産地
和歌山県
分類
木工品・竹工品
素材
木 · 漆 · 鉄
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

紀州箪笥の起源は、紀伊国(現在の和歌山県)において木材業が盛んであった時代にさかのぼる。豊富な森林資源に恵まれた紀州では、古くから木工・建具の技術が発達しており、その技術的蓄積を背景に箪笥づくりが根付いた。江戸時代を通じて庶民の生活に欠かせない収納家具として普及し、衣類や調度品を収める実用品として各…

其の二素材

主な材料には、和歌山県内で産出される杉・檜・欅などの良質な木材が用いられる。紀州材は木目が美しく、適度な硬さと粘りを持つことから、加工性と耐久性を兼ね備えた素材として珍重されてきた。表面仕上げには漆(うるし)が施されることが多く、下地処理から上塗りまで丁寧に重ねることで、深みのある光沢と優れた耐久性…

其の三技法

紀州箪笥の製作には、木材の選定・乾燥から始まる丁寧な工程が求められる。板材は十分に自然乾燥させ、反りや割れを防いでから木取り・加工を行う。組み手(くみて)と呼ばれる継ぎ手技法を駆使して釘に頼らない堅固な構造を実現するのが大きな特徴で、職人の高度な技術と経験が求められる。表面には漆塗りや砥の粉(とのこ…

其の四風土

和歌山県は温暖多雨な気候に恵まれ、古くから杉・檜などの針葉樹が豊富に育つ林業地帯として知られる。この豊かな森林資源が良質な木材の安定供給を可能にし、紀州箪笥の発展を支える土台となった。