工芸 · No. 97

No. 97漆器
鎌倉彫
Kamakura-bori
kamakura bori · 神奈川県
鎌倉彫は神奈川県鎌倉市を産地とする漆器工芸品で、木地に独自の彫刻文様を施した後に漆を塗り重ねる技法が最大の特徴である。
- 産地
- 神奈川県
- 分類
- 漆器
- 素材
- 木 · 漆
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
鎌倉彫の起源は鎌倉時代にさかのぼるとされ、中国・宋元の彫漆(ちょうしつ)技法が禅宗文化とともに日本に伝わったことが発端といわれる。鎌倉の禅寺に集まった仏師たちが、仏具や寺院調度品の制作にこの技法を応用したことが工芸としての礎を築いた。室町時代以降、茶の湯文化の広まりとともに茶道具や盆などへ用途が広が…
其の二素材
其の三技法
鎌倉彫最大の特徴は、彩色や加飾の前に木地へ直接彫刻を施す点にある。職人はノミや彫刻刀を用いて、牡丹・唐草・波などの伝統文様を立体的に彫り込む。彫りの深さや線の強弱によって文様に陰影と奥行きが生まれる。彫り終えた木地には下地処理を施した後、漆を何度も塗り重ねる。最終的な仕上げでは磨きをかけ、艶と滑らか…
其の四風土
鎌倉は三方を山に囲まれ、湿潤な気候が年間を通じて安定した湿度をもたらす。この環境は漆の乾燥・硬化(酵素反応)に適しており、良質な漆工芸が根付く地理的条件を自然に整えていた。


