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工芸 · No. 233

福山琴

No. 233その他の工芸品

福山琴

Fukuyama Koto

fukuyama koto · 広島県

福山琴は広島県福山市で作られる伝統的な琴(箏)で、豊かな音色と精緻な木工技術を特徴とする日本を代表する弦楽器工芸品である。

産地
広島県
分類
その他の工芸品
素材
木 · 漆 · 象牙
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

福山における琴の生産は江戸時代にさかのぼる。福山藩の城下町として栄えたこの地域では、武家文化や上流階層の芸道の普及とともに琴の需要が高まり、専門の職人による製作が根付いた。明治以降、邦楽の近代化や全国的な普及活動を背景に福山の琴づくりはさらに発展し、全国有数の琴産地としての地位を確立した。昭和以降は…

其の二素材

象牙水牛角

福山琴の主要材料は桐(きり)で、胴(本体)には国産の良質な桐材が用いられる。桐は軽量でありながら適度な弾力と共鳴性を持ち、琴の豊かな音色を生み出す上で不可欠な素材である。長期間乾燥・熟成させた桐材を使用することで、狂いが少なく耐久性の高い楽器に仕上がる。また、弦を支える「琴柱(ことじ)」には象牙や水…

其の三技法

福山琴の製作は、木取り・乾燥・胴の成形・音窓(共鳴孔)の加工・内部くり抜き・表面仕上げ・塗装・弦張りなど多岐にわたる工程から成る。特に胴内部のくり抜きは音響特性を決定づける最重要工程であり、職人は長年の経験と感覚によって絶妙な厚みと形状を整える。表面には焼き仕上げ(炙り)を施して独特の風合いと耐久性…

其の四風土

福山市を含む広島県南部は温暖で比較的乾燥した瀬戸内海式気候に属する。この安定した気候は桐材の乾燥・保管に好適であり、木材の品質を保ちながら精密な加工を可能にする環境的条件として琴づくりの産地形成を後押しした。