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工芸 · No. 192

播州そろばん

No. 192文具

播州そろばん

Banshu Soroban (Banshu Abacus)

banshu soroban · 兵庫県

播州そろばんは兵庫県小野市を中心に生産される伝統的な計算用具で、国内生産の大半を占める精巧な木製そろばん。高い精度と美しい仕上がりが特徴。

産地
兵庫県
分類
文具
素材
木 · 竹
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

播州そろばんの起源は江戸時代にさかのぼる。現在の兵庫県小野市周辺に位置する播州地域では、農家の冬場の副業としてそろばん製造が広まったとされる。農閑期の手仕事として定着したこの産業は、やがて専業の職人を生み出し、地域の主要産業へと発展した。明治時代以降、分業体制が整備されてさらに生産効率が高まり、珠・…

其の二素材

播州そろばんに使われる主な素材は木材であり、珠(たま)にはツゲ(黄楊)が最上とされる。ツゲは緻密で硬く、滑らかな手触りと美しい光沢を持ち、長期使用に耐える耐久性を備える。枠や軸には竹や各種広葉樹材が用いられることが多い。ツゲの国内産は希少で高価なため、上質品にのみ使用され、廉価品には輸入材や代替木材…

其の三技法

播州そろばんの製造は高度な分業体制によって支えられており、珠づくり・枠づくり・軸(ひご)づくり・組み立て・仕上げなど、各工程を専門の職人が担う。珠はまず木材を丸棒状に削り出し、コマ型に成形したのち、研磨によって均一な形と滑らかな表面を実現する。軸となる細い竹や木のひごは正確な太さに整えられ、珠が過不…

其の四風土

小野市を中心とする播州地域は内陸性気候で冬季の積雪が少なく、農閑期に屋内作業としてそろばん製造が根付きやすい環境にあった。また周囲の山林から良質な木材を得やすい地理的条件も、産地形成を後押しした。