CraftTripつくる旅

工芸 · No. 44

有松・鳴海絞

No. 44染色品

有松・鳴海絞

Arimatsu-Narumi Shibori

arimatsu narumi shibori · 愛知県

愛知県名古屋市南東部の有松・鳴海地区で生産される絞り染めの染色品。布を糸で括ったり縫ったりして染めることで生まれる、多彩で精緻な模様が最大の特徴。

産地
愛知県
分類
染色品
素材
綿 · 絹 · 藍
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

有松・鳴海絞の起源は江戸時代初期にさかのぼる。東海道の宿場町として栄えた有松の地で、尾張藩の奨励を受けながら絞り染めの生産が始まったとされる。旅人が行き交う東海道沿いという立地を活かし、土産物として街道を行き交う旅人の間で広まり、産地としての評判を確立した。その後、技法は独自の発展を遂げ、数十種類に…

其の二素材

主な素材は絹や綿などの天然繊維の白生地で、絞り染めの特性上、染料の浸透と発色が美しく仕上がる素材が選ばれる。染料は藍をはじめ、用途や意匠に応じてさまざまな色が用いられる。かつては地元や国内産の生地が主に使われ、藍染めには天然藍も用いられてきた。素材の品質が絞りの精緻な模様の出来映えを左右するため、布…

其の三技法

有松・鳴海絞の最大の特徴は、その技法の多様性にある。布を指でつまんで糸で括る「括り絞り」、針と糸で縫ってから引き絞る「縫い絞り」、布を折りたたんで板で挟む「板締め絞り」など、数十種類の技法が存在する。職人はこれらの技法を組み合わせ、染色後に糸をほどくことで、立体的な凹凸と独特の白抜き模様を生み出す。…

其の四風土

愛知県の温暖で湿潤な気候は、染料の発色や布地の扱いに適した環境を提供してきた。また、東海道沿いという交通の要衝に位置することで、原材料の調達と製品の流通を支え、産地の発展を後押しした。