CraftTripつくる旅

工芸 · No. 80

砥部焼

No. 80陶磁器

砥部焼

Tobe Ware

tobe ware · 愛媛県

砥部焼は愛媛県砥部町を中心に生産される陶磁器で、厚手の白磁に呉須による藍色の手描き文様が特徴の、日用食器として親しまれる伝統工芸品。

産地
愛媛県
分類
陶磁器
素材
磁土 · 藍 · 釉薬
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

砥部焼の起源は、砥石の産地として知られた砥部町で、砥石加工の際に出る大量の石粉(砥部石の粉末)を有効活用するために磁器生産が始まったことにある。江戸時代後期、藩の産業振興策のもとで磁器づくりが奨励され、地域の窯業として根付いていった。明治以降は国内外への販路が拡大し、丈夫で実用的な白磁食器としての評…

其の二素材

磁土釉薬

砥部焼の主原料は、地元で産出する陶石(砥部石)である。この陶石は鉄分が少なく、焼成後に白く透明感のある磁肌を生み出す性質を持つ。砥石加工の副産物である石粉を活用したことが産地形成の原点であり、現在も愛媛県内産の陶石を主体に使用している。絵付けには呉須(酸化コバルトを含む顔料)が用いられ、焼成後に鮮や…

其の三技法

砥部焼の制作は、原料となる陶石を粉砕・精製することから始まる。成形は主にろくろ成形が用いられ、職人が手作業で器の形を整える。乾燥後、素焼きを経てから呉須による手描きの絵付けが施される。文様は唐草や魚、梅など伝統的なモチーフが多く、絵師が一筆一筆丁寧に描く。絵付け後に透明釉をかけ、本焼きで高温焼成する…

其の四風土

愛媛県砥部町周辺は温暖な瀬戸内式気候に属し、降水量が比較的少なく安定した天候が続く。この気候は陶器の乾燥工程に適しており、また良質な陶石を産する山地の地質条件とあいまって、磁器産地としての発展を支えてきた。