CraftTripつくる旅

工芸 · No. 87

小代焼

No. 87陶磁器

小代焼

Shodai Ware

shodai ware · 熊本県

小代焼は熊本県北部で生産される陶器で、厚みのある素朴な造形と、藁灰や木灰を用いた流れるような釉薬の景色が最大の特徴である。

産地
熊本県
分類
陶磁器
素材
陶土 · 灰 · 鉄
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

小代焼の起源は江戸時代初期にさかのぼる。肥後細川藩の保護のもと、朝鮮半島からの陶工技術を受け継いだ職人たちが、現在の熊本県荒尾・南関周辺に窯を開いたとされる。藩の御用窯として茶器や日用雑器を中心に生産が行われ、武家社会における茶の湯文化の隆盛とともに発展した。明治維新後は藩の庇護を失い、一時期生産が…

其の二素材

陶土長石

主原料となる陶土は熊本県北部に産する鉄分を含む粘土で、焼成後に温かみのある土色を呈する。釉薬には地元で採取した藁灰・木灰・長石などを調合した灰釉が用いられる。これらの天然灰釉は焼成中に流動し、個体ごとに異なる釉だまりや釉流れを生み出す。鉄分の多い素地と灰釉との化学反応が、黄釉・青釉・飴釉など独特の色…

其の三技法

成形は主にろくろ引きで行われ、厚めの器壁と大らかなフォルムが特徴である。成形後は自然乾燥させ、素焼きを経てから灰釉を施す。施釉は刷毛塗りや流しがけなど複数の方法が用いられ、意図的に釉薬を厚くかけることで焼成中の流動を促す。焼成には登り窯や穴窯が伝統的に使用され、薪を燃料とする還元・酸化雰囲気の変化が…

其の四風土

熊本県北部は温暖湿潤な気候で、豊かな森林から良質な薪や灰が安定して得られる。また、丘陵地帯に広がる粘土層が陶土の採取を支えており、自然環境が小代焼の素材基盤を形成してきた。