工芸 · No. 89

No. 89陶磁器
薩摩焼
Satsuma Ware
satsuma ware · 鹿児島県
薩摩焼は鹿児島県で生産される陶磁器で、白薩摩の優美な象牙色の肌と繊細な絵付け、黒薩摩の力強い漆黒の釉薬という対照的な二様式を持つことで知られる。
- 産地
- 鹿児島県
- 分類
- 陶磁器
- 素材
- 陶土 · 釉薬 · 鉄
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
薩摩焼の起源は、豊臣秀吉による朝鮮出兵(文禄・慶長の役)の後、薩摩藩主・島津義弘が朝鮮半島から多くの陶工を連れ帰ったことに始まる。連れ帰られた陶工たちは薩摩各地に窯を開き、地域の土や釉薬を用いながら独自の焼き物文化を築いていった。やがて藩の手厚い保護のもとで技術が磨かれ、白薩摩は島津家への献上品や公…
其の二素材
其の三技法
薩摩焼の制作工程は成形・素焼き・施釉・本焼き・絵付けという段階を経る。白薩摩では、轆轤(ろくろ)や型を用いて成形した後、低温で素焼きを行い、透明釉を掛けて高温で本焼きする。焼き上がった素地に金彩や錦手(色絵)による精緻な絵付けを施すのが最大の特徴であり、熟練の絵付け師が花鳥や人物、唐草文様などを繊細…
其の四風土
鹿児島県は温暖湿潤な気候に恵まれ、豊富な森林資源が薪や木灰釉の原料を安定的に供給してきた。また、火山地帯に由来する多様な土壌が独自の陶土や釉薬原料の調達を可能にし、薩摩焼の多彩な表現を支えてきた。

