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工芸 · No. 227

尾張七宝

No. 227その他の工芸品

尾張七宝

Owari Shippo (Owari Cloisonné)

owari shippo · 愛知県

愛知県尾張地方で発展した七宝焼。金属素地にガラス質の釉薬を焼き付けた鮮やかな発色と、精緻な文様が特徴の装飾工芸品。

産地
愛知県
分類
その他の工芸品
素材
銅 · 銀 · ガラス
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

七宝焼の技法はシルクロードを経て中国・朝鮮半島から日本に伝わり、江戸時代に尾張地方でその基盤が築かれた。幕末から明治時代にかけて、尾張の職人たちは独自の技術革新を重ね、とりわけ透胎七宝(あんどん七宝)や無線七宝など高度な技法を確立した。明治期には輸出工芸品として欧米から高い評価を受け、パリ万博などの…

其の二素材

主要な素地となる金属には、銅や銀が多く用いられる。その表面に施す釉薬は、珪砂・長石・硼砂などを主成分とするガラス質の粉末に金属酸化物を加えて発色させたもので、色の種類は豊富である。文様の輪郭を作る「銀線(ぎんせん)」や「銅線」は薄く圧延された金属帯を用いる。釉薬は産地内外の専門業者から調達されるほか…

其の三技法

まず金属素地を成形し、下地処理として釉薬が定着しやすいよう表面を整える。次に細い金属線(銀線や銅線)を素地に貼り付けて文様の輪郭(仕切り)を作る「有線七宝」が基本技法だが、線を用いない「無線七宝」や、素地の金属を溶かし除いて透かし模様にする「透胎七宝」など、難易度の高い技法も尾張の特徴である。各区画…

其の四風土

尾張地方は濃尾平野に位置し、比較的温暖で安定した気候を持つ。良質な水資源と交通の便が産地形成を後押しし、焼成に必要な燃料や原材料の調達が比較的容易であったことが、産地の発展を支えた地理的条件として挙げられる。