工芸 · No. 114

No. 114木工品・竹工品
二風谷イタ
Nibutani Ita
nibutani ita · 北海道
二風谷イタは北海道沙流郡平取町二風谷地区で作られるアイヌの伝統的木彫盆。流麗な唐草文様の彫刻が施された木製の盆で、アイヌ文化を代表する工芸品のひとつ。
- 産地
- 北海道
- 分類
- 木工品・竹工品
- 素材
- 木
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
二風谷イタは、北海道日高地方の沙流川流域に古くから暮らすアイヌの人々が伝えてきた木彫盆である。アイヌの人々はもともと日常の儀礼や生活の場で木製の器や盆を用いており、その装飾彫刻の技術は世代から世代へと口伝・実技を通じて継承されてきた。二風谷地区はアイヌ文化の中心地のひとつとして知られ、特にモレウノカ…
其の二素材
主な素材はイタヤカエデ(板屋楓)やホオノキ(朴の木)などの北海道産広葉樹材である。イタヤカエデは木目が緻密で均一なため細かな彫刻に適し、彫り口が美しく仕上がる。ホオノキは柔らかく加工しやすい反面、適度な硬さも持つ。いずれも北海道の山野に自生する天然木材で、職人は木の性質をよく見極めながら素材を選ぶ。…
其の三技法
制作はまず丸太や板材から木地を削り出す荒彫りから始まり、盆の形状を整える。その後、鉛筆などで文様の下絵を描き、各種の彫刻刀(平刀・丸刀・三角刀など)を用いて浮き彫り・沈み彫りを施す。アイヌ文様の核心はモレウノカ(渦巻き・唐草状の流れる曲線)とアイウシノカ(刺状の突起文)の組み合わせにあり、全体に均整…
其の四風土
北海道日高地方の沙流川流域は、冷涼な気候のなかでイタヤカエデやホオノキなどの良質な広葉樹が豊富に育つ。この豊かな森林資源がアイヌの木工文化を長年にわたって支え、二風谷イタの素材と技術の基盤となってきた。
