CraftTripつくる旅

工芸 · No. 205

宮城伝統こけし

No. 205人形・こけし

宮城伝統こけし

Miyagi Traditional Kokeshi

miyagi traditional kokeshi · 宮城県

宮城県を主な産地とする伝統的な木製人形。温泉地の土産として発展し、系統ごとに異なる絵柄や形が特徴の素朴な郷土玩具。

産地
宮城県
分類
人形・こけし
素材
木 · 漆 · 墨
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

宮城県のこけしは、東北地方の温泉地を中心に木地師(きじし)たちが子ども向けの玩具として作り始めたのが起源とされる。江戸時代後期から明治時代にかけて、鳴子・遠刈田・弥治郎・作並・肘折などの温泉郷で独自のスタイルが確立され、湯治客への土産物として広まった。各系統は木地師の家系を通じて技法と意匠が親から子…

其の二素材

木蝋

主な素材はミズキ(水木)やイタヤカエデなどの落葉広葉樹で、東北の山間部で広く産出される。これらの木材は木目が細かく、ろくろ加工に適した適度な硬さと粘りを持つ。伐採後に自然乾燥させることで割れやゆがみを防ぎ、素材本来の木肌の温もりが活かされる。絵付けには墨や植物性の顔料をベースにした絵具が用いられ、仕…

其の三技法

製作はろくろ挽きを核とした一貫した手仕事で行われる。木取りした材をろくろにかけ、刃物(鑿・バイト)で胴体と頭部をそれぞれ削り出す。鳴子系では胴をはめ込み式にして首が回るよう仕上げる一方、遠刈田系や弥治郎系では頭と胴を差し込む構造をとるなど、系統によって接合方法が異なる。絵付けは筆一本で行われ、菊・梅…

其の四風土

宮城県の山間部は冬季に積雪が多く、農閑期の副業として木工細工が発達した。豊富なブナ・ミズキ林と清らかな水を湛える渓谷が木地師の集落を育み、温泉地の存在が土産文化と結びついてこけしを根付かせた。