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工芸 · No. 112

香川漆器

No. 112漆器

香川漆器

Kagawa Lacquerware

kagawa lacquerware · 香川県

香川漆器は香川県で作られる伝統的な漆器で、彫漆・蒟醤・存清・後藤塗・象谷塗という五つの独自技法を持ち、多彩な表現と精緻な仕上がりが最大の特徴。

産地
香川県
分類
漆器
素材
漆 · 木 · 錫
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

香川における漆芸の歴史は江戸時代中期にさかのぼる。高松藩の庇護のもと、藩内の工人たちが中国や東南アジアから伝来した漆芸技法を研究・吸収し、独自に昇華させた。なかでも蒟醤(きんま)は東南アジア起源の技法を和様化したものであり、彫漆(ちょうしつ)は中国の堆朱・堆黒の技法を日本の感性で再解釈したものとされ…

其の二素材

卵殻

香川漆器の基本素材は木地と漆である。木地には欅(けやき)・檜(ひのき)・朴(ほお)など国産の良質な木材が用いられ、器の種類や技法に応じて使い分けられる。漆は国産漆が最上とされるが、用途に応じて精製した漆が各工程で使われる。蒟醤には色漆(いろうるし)を複数層塗り重ね、彫漆には鮮やかな朱・黒などの色漆を…

其の三技法

香川漆器を特徴づけるのは、五つの独自技法である。①彫漆(ちょうしつ):色漆を何十層も塗り重ねた後、彫刻刀で文様を彫り出す技法。②蒟醤(きんま):漆を塗った器面に文様を刻み、溝に色漆を埋め込んで模様を表す。③存清(ぞんせい):色漆で彩色した上に透漆を重ね、立体感のある絵画的文様を表現する。④後藤塗(ご…

其の四風土

香川県は温暖少雨の瀬戸内式気候に属し、高温多湿を好む漆の乾燥(硬化)には工房内で湿度管理が欠かせない。一方、温和な気候は木地の乾燥・狂いを抑えるうえで好条件となっており、漆器づくりに適した環境を提供している。