工芸 · No. 202

No. 202石工品
出雲石燈ろう
Izumo Stone Lanterns
izumo stone lanterns · 鳥取県
出雲石燈ろうは、鳥取・島根両県で産出される良質な石材を用いて制作される石工品で、神社仏閣への奉納品として発展した重厚かつ精緻な石製燈籠である。
- 産地
- 鳥取県
- 分類
- 石工品
- 素材
- 石
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
出雲地方は古くから石材の産地として知られ、出雲大社をはじめとする多くの神社仏閣への奉納燈籠の制作を通じて、石工の技術が代々受け継がれてきた。参道や境内に並ぶ石燈籠は、神域を荘厳する重要な調度品として地域信仰と深く結びついており、職人たちは社寺の需要に応えながら独自の様式美を磨いてきた。江戸時代には庶…
其の二素材
主要素材は、鳥取・島根両県にまたがる中国山地周辺で産出される花崗岩や安山岩などの良質な石材である。この地域の石は適度な硬度と緻密な石目を持ち、細部の彫刻にも耐えうる加工性を備えている。長期間屋外に設置されることを前提とするため、耐候性・耐水性に優れた石種が厳選される。石の色調は落ち着いた灰色系が多く…
其の三技法
制作工程は、石材の切り出しから始まり、荒割り・粗彫り・仕上げ彫りと段階的に形を整えていく。燈籠は笠・火袋・中台・竿・基礎など複数のパーツから構成されており、それぞれを個別に加工した後に組み上げる。職人はノミやセットウ(石工用ハンマー)などの手工具を巧みに使い、手加工を基本とした繊細な彫刻を施す。笠の…
其の四風土
山陰地方は日本海側気候の影響を受け、冬季に多量の降雪・降雨にさらされる。こうした厳しい気象条件が耐候性に優れた石材の選定を促し、風雨や凍害に耐える堅牢な造形技術を育んできた。また豊富な水資源と湿潤な環境が、苔の生育を促し石燈籠独特の景趣を深める。

