工芸 · No. 78

No. 78陶磁器
萩焼
Hagi Ware
hagi ware · 山口県
萩焼は山口県萩市を中心に生産される陶器で、柔らかな土味と「七化け」と呼ばれる独特の経年変化が最大の特徴。茶人に古くから愛され、「一楽二萩三唐津」と称される名陶。
- 産地
- 山口県
- 分類
- 陶磁器
- 素材
- 陶土 · 長石 · 藁灰
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
萩焼の起源は、慶長の役(文禄・慶長の役)の後、毛利輝元が朝鮮半島から陶工を招いたことにさかのぼる。招かれた李勺光・李敬兄弟らが萩藩の御用窯を開いたとされ、以来、萩藩の保護を受けながら茶陶として発展を遂げた。「一楽二萩三唐津」という言葉が示すように、千利休以来の茶道の隆盛とともに萩焼の名声は全国に広ま…
其の二素材
萩焼には、大道土(だいどうつち)・見島土(みしまつち)・金峰土(きんぽうつち)などの山口県内産の陶土が主に使われる。これらの土は耐火性が高く、粒子が粗めで適度な可塑性を持つことが特徴。釉薬には長石釉や藁灰釉(わらはいゆう)が多用され、特に萩独特の白濁した柔らかい発色をもたらす。胎土の気孔率が高いため…
其の三技法
萩焼の成形には主に轆轤(ろくろ)が用いられ、職人が薄手に挽き上げることで独特の軽さと柔らかみが生まれる。施釉では長石釉や藁灰釉を一釉または二釉掛けし、素朴で温かみのある発色を引き出す。焼成は登り窯や穴窯で行われることが多く、比較的低めの温度での焼締めが多孔質の胎土を生む。高台(こうだい)の一部を削り…
其の四風土
萩市は日本海に面した温暖湿潤な気候に恵まれ、周辺の山地には良質な陶土が豊富に分布する。この温暖な気候と適度な湿度は、成形・乾燥工程を安定させるとともに、萩焼の多孔質な風合いを生かした経年変化を楽しむ茶文化の土壌にもなっている。

