CraftTripつくる旅

工芸 · No. 61

益子焼

No. 61陶磁器

益子焼

Mashiko Ware

mashiko ware · 栃木県

益子焼は栃木県益子町で作られる陶器で、ざっくりとした土の質感と厚みのある素朴な造形、独特の釉薬による温かみある風合いを特徴とする。

産地
栃木県
分類
陶磁器
素材
陶土 · 鉄 · 木
指定
国指定伝統工芸品

其の一歴史

益子焼の起源は江戸時代末期にさかのぼる。地元に良質な陶土が豊富に産出されることに着目した陶工が窯を築いたことが始まりとされ、当初は日用の甕・鉢・土瓶といった実用品が中心に生産された。明治期には益子の陶器が東京の台所用品として広く流通し、産地としての基盤が固まった。転機となったのは、民藝運動の父・柳宗…

其の二素材

益子焼の最大の特徴は、益子周辺で産出される地元の陶土にある。この土は鉄分を含み可塑性が高い反面、耐火度は比較的低いため、焼成温度の管理が重要となる。素地は焼き上がると赤みがかった褐色を呈し、ざらりとした質感が生まれる。釉薬には糠釉(ぬかゆう)・柿釉・飴釉・白釉など、地元の自然素材(藁灰・木灰・鉄分)…

其の三技法

益子焼の製作工程は、土づくりから始まる。地元の陶土を水簸(すいひ)・土練りによって均質に整えた後、轆轤(ろくろ)成形または手びねりで器の形を作る。成形後は十分に乾燥させてから素焼き(約800℃)を行い、その後に釉薬を掛け、本焼きへと進む。本焼きは主に登り窯や電気窯・ガス窯を用い、比較的低い温度帯で焼…

其の四風土

益子町は内陸性気候で、四季の寒暖差が大きい。周辺の山地から採れる豊富な陶土資源と、薪窯の燃料となる里山の木材が歴史的に産地を支えてきた。また、変化に富む気候が釉薬の発色にも微妙な影響を与えている。