工芸 · No. 60

No. 60陶磁器
笠間焼
Kasama Ware
kasama ware · 茨城県
笠間焼は茨城県笠間市を中心に作られる陶磁器で、厚みのある素朴な風合いと作家の個性を尊重する自由な作風が最大の特徴である。
- 産地
- 茨城県
- 分類
- 陶磁器
- 素材
- 陶土
- 指定
- 国指定伝統工芸品
其の一歴史
笠間焼の起源は江戸時代中期にさかのぼる。地元の山から採れる良質な陶土に着目した陶工が窯を開いたことに始まり、笠間藩の保護・奨励のもとで技術が磨かれ、産地としての基盤が形成された。当初は日用雑器の生産が中心であったが、明治以降の近代化の波を受けながらも廃れることなく命脈を保った。戦後、東京藝術大学など…
其の二素材
笠間焼の主原料は、笠間周辺の丘陵地帯から産出する良質な粘土である。この粘土は適度な可塑性と耐火性を持ち、成形しやすい一方で焼き締まりが良く、素朴で温かみのある肌合いを生み出す。釉薬は作家ごとに多様であり、灰釉・鉄釉・糠白釉などの伝統的な釉薬から、現代的な独自調合の釉薬まで幅広く用いられる。地域の土そ…
其の三技法
笠間焼は特定の様式に縛られない「自由な作風」を最大の特徴とし、ろくろ成形・手びねり・鋳込みなど多様な技法が用いられる。焼成は主に登り窯や電気窯・ガス窯が使われ、作家の意図に応じて使い分けられる。伝統的な技法として、薪窯による焼き締めや、還元焼成による深みのある発色が挙げられる一方、現代的な電気窯によ…
其の四風土
笠間市は関東内陸部に位置し、夏は高温多湿、冬は乾燥した寒さが続く気候である。この寒暖差が陶土の乾燥や焼成における収縮に影響を与えるほか、周辺の丘陵地帯は粘土質の地層に恵まれており、良質な原料土の産出を可能にしている。

